当社は営業職の全従業員を対象にした営業研修「早坂塾」を9月2日(月)に開催いたしました。
「早坂塾」とは、創業12年で総合人材サービス企業の営業トップの役員として、売上7700億円に導き、その後ハウステンボスの再建を行った伝説の営業マン、ブロードキャピタル・パートナーズ株式会社の早坂俊氏による営業研修です。
研修の目的は、営業スキルの向上と、新しい営業戦略の導入による顧客満足度の向上および売上の最大化を図ることです。営業のノウハウやコミュニケーションの取り方などを改めて確認するとともに、その場でロールプレイングやディスカッションを行うことでより実践的な学びの場となりました。
早坂俊氏プロフィール
堀越学園出身。株式会社バンダイを経て、ブライダル企業で販売戦略のリーダーとして経験を積んだ後、折口雅博から声がかかり、グットウィルグループ(GWG)に入社。総合営業部長として指揮を取り、数億円規模の大口案件を多数受注等、事業発展に大きく貢献した。また同グループの福祉系企業コムスンの取締事業本部長として、4カ月間で全国1200支店以上を開設するなど、業界トップの企業となるインフラを整えた。続いて国際的に展開するレストランMEGUの代表取締役として香港に移り、店舗開設から接遇教育、サービス提供まで総合的に指揮をとった。
GWG退職後、ハウステンボス株式会社の執行役員パーク運営部部長に就任。3年間で100億円超の増益を達成し、同社の劇的な収益改善を責任者として先導した。
2017年、ブロードキャピタル・パートナーズにパートナーとして参加、事業推進/営業拡大コンサルタントを担う。さらに、クライアント企業の要望に応え、営業戦術、販売企画ディレクションなどに関する教育を担うと「即戦力育成が実現された」と評判が高まった。
2022年に「早坂塾」がスタート、経営者のビジョンを反映し、事業の特性に応じたカリキュラムを持つ営業エキスパート・プログラムである。体験から構築した理論とロールプレイングで進められる。「エンターテインメントのスペシャリスト」という天性も十分に発揮され、参加者全員が熱中モードで、営業の極意を身につけている。
営業は事前準備で勝負が決まる
当社の社員は営業提案がある際は、徹底した情報収集のもと準備をすることを意識するようにしています。ただ、今までの準備だとまだまだ足りないことに気づかされました。
事前準備の段階で頭に入れておくべきこととして重要なものとは、
・社名の由来
社名には創業当社からの思いが詰まっているため企業理解に繋がる
(経営理念、ミッション、ビジョン、バリューなど会社の幹の部分も頭に入れておく)
・株価
株価の動きは企業の収益や成長見込みに比例しているので、現状を確認しておくことで提案の幅を調整することができる
・プレスリリース
プレスリリースにはその企業の動きや過去にどんな取り組みをしてきたかが、公式として掲載されているため「情報の宝の山」となっている
その他にも提案先の企業やその業界についてインプットできる情報は多くあると思います。単なるパートナーとしてではなく、社員レベルまで企業理解を深めたパートナーとして提案に臨むことで信頼を勝ち取ることができます。
「この人できるな」と思わせる質問力を養え
事前準備に加えて、大切なことがもう一つあります。それは、初回アポイントの際に何を聞けるかという質問力です。質問にはその内容だけで「この人できるな」と好印象を与えることができる半面、「こいつ何も分かってないな」とそれだけで悪印象にしてしまうことがあります。事前に何を聞くべきか整理しておくことが大切です。
早坂さんが特に聞いてほしいとお話しされていたことを1つご紹介します。それは「決裁権は誰にあるか」ということです。
理由①:意思決定の迅速化
決裁者は最終的な意思決定を行う人物であり、プロセスに関与していないと、提案や交渉が遅れたり、無駄になる可能性があります。適切な決裁者と直接コミュニケーションを取ることでスムーズに進めることができます。
理由②:効果的な提案
決裁者のニーズや優先事項を理解することで、より効果的な提案が可能になります。何を重視しているかを理解し、その期待に寄り添った提案をすることで、契約率を高められます。
理由③:正確な情報の共有
決裁者に直接アプローチすることで、相互に正確で最新の情報を得ることができるので、提案内容や戦略を適切に調整できたり認識の齟齬を防いだりすることができます。
また、営業において予算や費用感の調整は気を遣う人も多いかと思います。実際、研修の中でも「聞きづらい」「あまり触れないようにしたい」という意見がありました。ただ、ビジネスにおいてお金のやりとりは必要不可欠であり、むしろ一番大事な部分とまで言えます。だからこそ決裁者を確認したうえではっきり聞いておくことが肝心です。
ユーモアのある座学研修はまさに営業そのものだった
早坂塾の研修スタイルは基本的に参加型の研修でした。
「御社(TORIHADA)の経営におけるセンターピンは何ですか?」
「初回アポでこれだけは必ず確認すべきことはなんだと思いますか?」
「なるほど!それは面白いですね、私も試してみたいです(笑)」
など、早坂さんは終始参加者に質問を投げかけてはオーバーリアクションで返し、ときには小ネタもはさんで笑いを誘いながら進めます。そんな雰囲気の中、社員は緊張感がありつつもリラックスした状態で研修を受けることができました。
コミュニケーションの取り方や距離感の詰め方は、まさに営業の様を実演しているように思いました。
優秀社員によるロールプレイングで得られたヒントと課題
後半では各チームの優秀社員をピックアップして、対面とオンラインでのそれぞれのパターンを想定したロールプレイングを実施しました。
座学だけでは見えづらいポイントやテクニックをその場で見学することで、より具体的なイメージをもったインプットに繋がります。
また、これを機に「他のチームがどのような業務を担当し、どのような提案をしているのかが知れた」という社員の声もあり、良かった半面、普段から全社での共通認識を持つことの重要性や課題を感じるきっかけにもなりました。
受講社員のコメント
①Hさん
フロントトークでいかに質の高い質問をするかで先方の感度も変わり、そのためには事前の準備を怠らずクライアント目線で挑むのが大事であると改めて認識しました。
②Kさん
「ファジーをやめろ」の部分は改めて勉強になりました。社内、社外問わず、認識の相違がないように曖昧な表現ではなく、具体的な発言を心がけます。
③Uさん
営業には「押すスタイル」と「引きスタイル」があるという話で、相手を見極めて両方をうまく使っていく必要があるなと感じました。またクライアント、代理店含め、仕事をしている以上は対等の立場で物事を進めることも重要だと改めて認識しました。
今回の研修を通じて学んだ内容を日々の業務の中で実践し、企業全体の成長に努めるとともに、お客様にはより高品質なサービスをご提供できるように励んでまいります。今後もこのような研修の機会を大切にし、常に自己と会社の成長を目指して取り組んでいきたいと考えています。