Instagram UGC運用の手順|タグ付け投稿をグリッドに追加する機能の使い方と社内ルール

Instagramで、自分がタグ付けされた他人の投稿を、自分のプロフィールのグリッド(フィード)に追加して表示できる機能が2026年9月10日に報じられました。TechCrunchおよびSocial Media Todayの報道によると、操作するのはタグ付けされた側で、追加した投稿はプロフィールのメイングリッドに並び、サムネイル右上にタグのアイコンが表示されるとされています。

企業アカウントの視点で言えば、これまで「タグ付けされた投稿」タブの奥にしまわれていたユーザーの投稿(UGC)を、プロフィールの一等地に置けるようになる、という話です。うまく使えば、自社で撮影したビジュアルだけでは出せない生活感や第三者性をプロフィールに持ち込めます。一方で、他人の投稿を自社の顔として並べる以上、掲載基準・許諾・PR表記といった社内ルールを決めずに運用を始めるのは危険です。

本記事では、現時点で確認できる仕様と、公式に記載が見当たらない点をはっきり分けたうえで、企業アカウントがこの機能をUGC運用に組み込むための手順、社内ルールの決め方、二次利用の許諾の取り方、ステマ規制上の注意点を実務ベースで整理します。

目次

まず前提:何が確認できて、何が確認できていないのか

この機能については、運用を設計する前に情報の確度を整理しておく必要があります。ここを曖昧にしたまま社内展開すると、後から「聞いていた話と違う」となりかねません。

本記事の執筆時点(2026年9月14日)で、Meta Newsroom、Instagram公式ブログ、Instagramヘルプセンターのいずれにも、この機能に関する公式発表・ヘルプ記事を確認できませんでした。したがって以下の内容は、TechCrunch(2026年9月10日、Lauren Forristal)とSocial Media Today(同日、Andrew Hutchinson)の報道に基づくものであり、Metaの公式見解ではありません。仕様は今後変わる可能性があります。

複数の報道が一致している点

両紙が共通して伝えているのは、操作の主体と表示場所です。

追加を行うのはタグ付けされた側のアカウントで、投稿者(撮影・投稿した本人)ではありません。追加された投稿は、専用タブではなくプロフィールのメイングリッドの中に、通常の自分の投稿と並んで表示されるとされています。Social Media Todayは、グリッド上でタグ付け投稿であることを示すタグのアイコンがサムネイル右上に表示されると報じています。操作名としては同紙が「Add to grid」というUI表記に言及しています。

追加の導線は3つあると報じられています。タグ付けされたときに届くDMの通知から、投稿そのものから、そして「タグ付けされた投稿」タブから、のいずれでも追加できるとされます。またTechCrunchは、あとから気が変わった場合にプロフィールから外すことができ、その際に「タグ付けされた投稿」タブからは消えないと伝えています。つまりグリッドへの掲載は、タグ付けの状態とは独立した「載せる/外す」の操作だということです。

公式にも報道にも記載が見当たらない点

一方で、企業アカウントの運用判断に直結する項目ほど、情報が出ていません。ここは「まだわからない」と扱ってください。

確認したかった点2026年9月14日時点の状況
Meta/Instagramの公式発表Newsroom・公式ブログ・ヘルプセンターのいずれにも該当記事を確認できず
テストか、全体展開か報道は「本日から」と伝えるが、テストか全展開かの明記はなし
対象地域・日本での提供状況いずれの報道にも地域の記載なし。日本での可否は未確認
ビジネス/プロアカウントでの利用可否いずれの報道にも記載なし
投稿者(元の投稿主)への通知の有無いずれの報道にも記載なし
投稿者が拒否・取り下げできるかいずれの報道にも記載なし
TechCrunch(2026年9月10日)、Social Media Today(同日)、Meta Newsroom、Instagram公式ブログ、Instagramヘルプセンターを2026年9月14日に確認した結果

この表のうち、実務でいちばん重い未確認事項は下の2行です。企業が第三者の投稿を自社プロフィールに載せたとき、その投稿者に通知が届くのか、嫌だと思ったときに投稿者側から外せるのかがわからない。つまりプラットフォームの仕組みに「相手の同意」を期待できない前提で運用設計をする必要があるということです。この点は本記事の後半で扱う許諾の取り方に直結します。

自社アカウントで使えるかどうかは、アプリを最新版に更新したうえで、タグ付けされた投稿を開いてメニューに該当の選択肢が出るかを確認するのが確実です。出てこない場合は、順次提供の途中か、対象外の可能性があります。

企業アカウントのUGC運用にとって何が変わるのか

仕様の整理を踏まえて、運用上の意味を考えます。結論から言えば、UGCの「置き場所」が変わることで、UGCの位置づけそのものが変わります。

これまで、ユーザーが商品を撮って自社アカウントをタグ付けしてくれても、その投稿は「タグ付けされた投稿」タブに入るだけでした。プロフィールを訪れた人がわざわざそのタブを開くことは多くありません。UGCを見せたい企業は、投稿者に許諾を取って画像を受け取り、自社の投稿として作り直すか、ストーリーズでシェアして24時間で流すか、ハイライトに残すか、という手段を取ってきました。

報じられている機能が使えるようになると、その投稿を作り直さずにグリッドへ置けることになります。撮影も編集も投稿もユーザーが済ませたものを、そのまま自社プロフィールの構成要素にできる、ということです。運用工数の面では明確に軽くなります。

ただし軽くなるのは制作の工数だけで、判断の工数はむしろ増えます。自社が作ったものではない投稿がプロフィールに並ぶということは、その投稿の写り込み、表現、価格の記載、他社製品の同時掲載といった要素すべてが、自社の見え方に含まれるということです。ワンタップで載せられるからこそ、載せる前の基準が要ります。

もうひとつ、グリッドの見た目の統一という論点があります。トンマナを揃えたビジュアルで作り込んできたアカウントほど、ユーザーの投稿が混ざったときの違和感は大きくなります。逆に言えば、生活のなかでの使用シーンを見せたいブランドにとっては、自社では出せない質感をグリッドに入れられる機会でもあります。Instagram運用全体の考え方はInstagramマーケティングとは?基本の手法やメリットで整理しています。

グリッドに追加する操作の流れ

実際の操作について、報道で伝えられている範囲を整理します。公式のヘルプ記事が確認できていないため、画面の文言や配置は実際のアプリでご確認ください。

手順内容
0. 事前確認Instagramアプリを最新版に更新する。自社アカウントで機能が使える状態かを確認する
1. 起点を開くタグ付け時に届くDMの通知/タグ付けされた投稿そのもの/プロフィールの「タグ付けされた投稿」タブ、のいずれかを開く
2. 追加するメニューから「Add to grid」に相当する選択肢を選ぶ(Social Media Todayが言及しているUI表記)
3. 表示を確認プロフィールのメイングリッドに並ぶ。サムネイル右上にタグのアイコンが付くと報じられている
4. 外すあとから気が変わった場合はプロフィールから外せる。外しても「タグ付けされた投稿」タブからは消えない
TechCrunch(2026年9月10日)およびSocial Media Today(同日)の報道をもとに整理。Instagram公式のヘルプ記載は2026年9月14日時点で確認できていません

企業アカウントの運用として押さえておきたいのは、手順4の存在です。掲載は取り消せる操作であり、タグ付けの状態そのものには影響しないと報じられています。つまりグリッドへの掲載は「いったん載せて、問題があれば外す」ことが技術的には可能な運用だということです。

ただし、外せることを理由に確認を省略するのは避けてください。いったんプロフィールに載れば、スクリーンショットを撮られる可能性も、他のユーザーに見られる可能性もあります。取り消せることと、載せたという事実が消えることは別です。判断は掲載前に済ませる、という原則は変わりません。

複数人でアカウントを運用している場合は、誰がこの操作を行えるのかを整理しておく必要もあります。Instagramのアカウントを複数の担当者で共有している体制では、権限の切り分けが難しいケースもあるため、運用ルールとログで補うことになります。

これまでのUGCの見せ方と、どう使い分けるか

グリッドへの追加は、UGCを見せる手段のひとつが増えたということです。既存の手段を置き換えるものではないので、それぞれの向き不向きを整理しておきます。

見せ方残る期間制作の手間向いている用途
グリッドに追加(報道されている新機能)外すまで残るほぼゼロ(元投稿を参照)使用シーンを常設で見せたい/第三者性を出したい
ストーリーズでシェア24時間投稿への感謝を即座に示す/反応の即時性
ハイライトに格納外すまで残るお客様の声をまとめて置く/商品別に整理する
自社投稿として作り直す削除するまで残る大(許諾+制作)トンマナを揃えたい/説明や訴求を足したい
「タグ付けされた投稿」タブタグが外れるまでゼロ(自動)能動的に見せるのではなく、探した人に見せる
各手段の性質を整理したもの。新機能の仕様は報道ベースであり、公式の確定情報ではありません

実務での使い分けは、掲載の意図で決めるとわかりやすくなります。投稿してくれたことへの反応として見せたいならストーリーズ、購入検討中の人に読ませたいならハイライト、ブランドの世界観の一部として常設したいならグリッド、という整理です。

グリッドへの追加が特徴的なのは、手間がほぼかからないのに露出が最も大きいという点です。手間と露出は通常セットで増えるものですが、この機能ではそこが逆転します。だからこそ、制作工程のなかで自然に働いていたチェック機能が効かなくなる、というのが運用上の最大の注意点です。作り直す手順を挟んでいれば誰かの目に触れていた投稿が、数タップでプロフィールに載ってしまいます。

運用を始める前に社内で決めておく5つのルール

ここからが本題です。機能が使えるようになってから慌てないよう、先に決めておくべき項目を挙げます。運用担当者が1人で判断できる状態を作るのが目的です。

1. グリッドに載せる投稿の基準を文章にする

「良さそうなものを載せる」では担当者が変わった瞬間に基準がぶれます。載せる条件と、載せない条件の両方を書き出してください。

載せない条件のほうが重要です。実務でよく挙がるのは、他社製品が一緒に写っているもの、効果や効能を断定している表現があるもの、価格や在庫の情報が古いもの、第三者の顔が写り込んでいるもの、未成年と思われる方が写っているもの、投稿者のアカウントが商用アカウントであるもの、といったあたりです。業種によっては、医薬品医療機器等法や景品表示法の観点から、そもそも載せられない表現の類型があります。

載せる条件は、ブランドとして見せたい使用シーンを具体的に書くのが実用的です。「屋外で使っている写真」「開封直後の様子」のように、後から見て判断できる粒度にしておくと運用が回ります。

2. 誰が判断し、誰が操作するかを分ける

グリッドへの追加は数タップで完了します。手軽であることは、確認を飛ばしやすいということでもあります。

おすすめは、日々のチェックと候補の抽出を運用担当者が行い、掲載可否の判断は別の担当者(マーケティング責任者や法務確認を経た担当)が行う二段構えです。緊急性のある作業ではないので、週に1回まとめて判断する運用でも十分成立します。判断のログを残しておけば、後から「なぜこれを載せたのか」を説明できます。

アカウントの運用を外部に委託している場合は、掲載可否の判断権限がどちらにあるのかを契約書か運用ルールに明記しておいてください。第三者の投稿を自社の顔として出す判断は、通常の投稿代行より一段重い意思決定です。

3. 二次利用の許諾をどこまで取るかを決める

報道の範囲では、グリッドへの追加にあたって投稿者の事前同意を得る仕組みがあるかどうかは確認できていません。プラットフォームが同意を担保してくれない前提で考える必要があります。

実務的な落としどころは、グリッドに追加する前にDMで一言確認を入れることです。「プロフィールに掲載させていただいてもよろしいでしょうか」「掲載後に取り下げをご希望の場合はいつでもご連絡ください」の2点を伝えるだけで、後々のトラブルはかなり減ります。相手にとっても、企業アカウントに載ることが嬉しい場合と、そうでない場合があります。

あわせて、その投稿を他の用途にも使いたいのかどうかを切り分けてください。グリッドへの追加はInstagram内で元投稿を参照する形ですが、広告クリエイティブ、自社ECの商品ページ、店頭のポスターに使うのは別の話です。用途を広げるなら、その用途を具体的に書いた許諾を文面で取る必要があります。

4. 対価の有無とPR表記の線引きを決める

UGCを扱ううえで最も慎重になるべきなのが、金銭・商品提供などの対価が絡む投稿の扱いです。

自社が依頼して投稿してもらったもの、商品を無償提供して投稿してもらったもの、アンバサダー契約に基づくもの、そして完全に自発的な投稿。これらは同じ「タグ付けされた投稿」に見えても、法的な扱いが変わります。グリッドに載せる候補を集める段階で、どの類型に当たるのかを必ず記録してください。詳細は次章で扱います。

依頼して投稿してもらう場合のラベル設定や表記については、Instagramタイアップ投稿とは?やり方・ラベル設定とメリットで手順を解説しています。投稿の段階で適切な表示がなされていれば、グリッドに載せる際の判断もそのぶん楽になります。

5. 外すときの基準と、記録の残し方を決める

載せるルールを作る企業は多いのですが、外すルールまで決めている企業は多くありません。UGCは、載せた時点では問題がなくても、後から状況が変わることがあります。

投稿者から取り下げの申し出があった場合、投稿者が別の文脈で炎上した場合、掲載している商品が廃番や仕様変更になった場合、投稿内の価格・キャンペーン情報が現行と食い違うようになった場合。これらは定期的に見直さないと気づけません。四半期に一度、グリッドに載せているUGCを棚卸しする運用にしておくと安全です。

記録として残しておきたいのは、投稿のURL、投稿者のアカウント名、掲載を判断した日と担当者、対価の有無、許諾のやり取りのスクリーンショット、そして外した場合はその日付と理由です。スプレッドシート1枚で足ります。

UGC収集からグリッド掲載までの運用フロー

決めたルールを、日々の作業の順番に落とし込みます。週次で回す前提の型です。

ステップやること担当
1. 収集タグ付けされた投稿・メンション・指定ハッシュタグを週1回まとめて確認し、候補を一覧に抜き出す運用担当
2. 一次選別掲載基準(載せない条件)に照らして機械的にふるいにかける。対価の有無を記録運用担当
3. 判断残った候補について掲載可否を決定。表現や法規制に関わるものは法務・品質部門に確認責任者
4. 許諾投稿者にDMで掲載の可否を確認し、取り下げ窓口を伝える。やり取りを保存運用担当
5. 掲載グリッドに追加。掲載日・判断者・許諾状況を記録シートに残す運用担当
6. 棚卸し四半期ごとに掲載中のUGCを見直し、外す条件に該当するものを外す責任者
グリッド追加機能を前提とした運用フロー例。判断と操作を分け、許諾を掲載前に置く構成にしています

このフローで意識したいのは、許諾(ステップ4)を掲載(ステップ5)の前に置いている点です。技術的には許諾なしで載せられるとしても、順番を逆にすると、取り下げ依頼が来たときに「勝手に載せた」という事実が残ります。企業アカウントの運用では、法的に問題がないかどうかと、相手にどう受け取られるかは別の問題として扱ってください。

UGCが集まりにくい段階では、そもそも投稿してもらう導線づくりが先になります。商品同梱のカードでハッシュタグとアカウント名を案内する、購入後のフォローメールで投稿を呼びかける、といった地道な設計が必要です。UGCを増やす施策としてインフルエンサーに依頼する場合は、インフルエンサーマーケティングとは?活用事例や会社の選び方もあわせてご覧ください。

そもそもUGCが集まっていない場合にやること

ここまでの運用は、タグ付けしてくれる投稿が一定数あることを前提にしています。まだその段階にない場合は、掲載ルールより先に収集の導線を作る必要があります。

最初にやるべきは、タグ付け先を明示することです。商品パッケージや同梱カード、購入後のサンクスメール、実店舗のPOP、自社ECの購入完了画面に、アカウント名とハッシュタグを載せます。ユーザーは「投稿してよい」「どこにタグを付ければよいか」がわからないだけ、というケースが少なくありません。投稿してくれた方に必ず反応する(いいねやコメントを返す)運用をセットにすると、次の投稿が生まれやすくなります。

それでも量が足りない段階では、キャンペーンで一時的に投稿を増やす方法もあります。ただし応募条件として投稿を求める企画は、対価を伴う依頼に近づく点に注意してください。前章で触れた対価の記録は、キャンペーン経由の投稿にこそ必要です。企業のSNS運用全体の進め方は企業がSNS運用を行うメリットとは?成功させるポイントでも整理しています。

効果をどう測るか

UGCをグリッドに置く施策は、単体の投稿のように再生数やいいね数で評価しにくい性質があります。見るべきはプロフィール単位の指標です。

掲載の前後で、プロフィールの閲覧数に対するフォロー率、プロフィールからのリンククリック率、そしてUGC投稿そのものへの反応を比較します。プロフィールを訪れた人が「実際に使っている人がいる」と受け取って行動したかどうかを見たいので、投稿単位の数字ではなくプロフィール到達後の転換率を追うのが筋です。

掲載枠を3枠程度に絞っておけば、入れ替えによる比較もしやすくなります。数週間単位で効果を見て、載せる投稿の傾向(人物あり/なし、屋内/屋外、動画/静止画)を絞り込んでいくと、次に集めるべきUGCの方向性も見えてきます。

ステマ規制の観点:どこから「事業者の表示」になるのか

ここが最も慎重を要する部分です。結論を先に書くと、消費者庁がこの新機能そのものについて見解を示した資料は確認できていません。以下は、既存の告示・運用基準・Q&Aの考え方を整理したものであり、個別の案件についての法的判断を代替するものではありません。

告示と運用基準が示している線

いわゆるステマ規制の根拠は、景品表示法5条3号に基づく指定告示です。

告示の正式名称は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年3月28日 内閣府告示第19号)で、令和5年(2023年)10月1日から施行されています。対象となるのは「事業者が自己の供給する商品又は役務の取引について行う表示であって、一般消費者が当該表示であることを判別することが困難であると認められるもの」です。

あわせて公表されている運用基準(令和5年3月28日 消費者庁長官決定)では、第三者の投稿であっても「事業者の表示」に該当する場合が示されています。事業者が第三者にSNS上や口コミサイト上で自社商品に係る表示をさせる場合、ECサイトのレビューを購入者等に依頼して表示させる場合、アフィリエイトプログラムを用いてアフィリエイターに表示させる場合などが例として挙げられています。さらに、明示的な依頼や指示がなくても、事業者と第三者との間に「事業者が第三者の表示内容を決定できる程度の関係性がある場合」は該当し得るとされ、判断要素として対価の内容や提供理由、やり取りの態様、関係性の継続性などが示されています。

消費者庁Q&Aが示す「引用・転載」の考え方

より実務に近いのが、消費者庁が公開しているステルスマーケティングに関するQ&Aです。UGCの扱いに関係する項目が2つあります。

ひとつは、お客様の声としてアンケート回答を引用掲載する場合についての項目です。無作為に選んだ回答をそのまま引用する場合は「事業者の表示」に当たらないとされる一方、好意的な評価のみを選別したり、都合のよい部分だけを抽出したりする場合は「事業者の表示」に当たり、明瞭な表示が必要とされています。もうひとつは、依頼したインフルエンサーの投稿を「お客様の声」として自社サイトに転載する場合についての項目で、「お客様の声」は通常、顧客の自主的な意思に基づく感想と理解されるため、依頼関係がある場合はその関係性を明瞭に表示する必要があるとされています。

グリッド追加に当てはめると何に気をつけるか

繰り返しになりますが、以下は上記の一般的な考え方から導いた整理であり、消費者庁がこの機能を名指しして示した見解ではありません。最終的な判断は原文の確認と専門家への相談のうえで行ってください。

そのうえで、押さえておきたい観点は2つあります。ひとつは対価や依頼関係の有無です。依頼して投稿してもらったもの、商品提供の見返りに投稿されたもの、アンバサダー契約に基づくものをグリッドに載せる場合、その投稿がもともと関係性を明瞭に示していたかどうかが重要になります。投稿側にPR表記がある投稿を、そのまま参照する形でグリッドに置くのであれば、表示は投稿とともに見えることになります。一方、表記がないまま依頼投稿を自社の顔として並べれば、選別して見せているという点も含めて説明が難しくなります。

もうひとつは選別しているという事実です。グリッドへの追加は、企業が数ある投稿のなかから選んで載せる行為です。Q&Aで示されている「好意的な評価のみを選別する場合」の考え方に照らすと、対価のない自発的な投稿であっても、企業が選んで自社プロフィールに掲載している以上、その並びは企業の編集判断の結果だと見られ得ます。少なくとも、依頼・対価が絡む投稿については関係性が伝わる状態にしておくのが安全側の運用です。

ステマ規制全体の枠組みについてはインフルエンサーの収入はいくら?仕組み・税金・ステマ規制も解説でも触れています。判断に迷う案件は、社内の法務部門や外部の専門家に確認する運用にしてください。

「グリッドに追加」と「転載」は別物として扱う

権利の観点でも、整理しておきたい区別があります。運用ルールを書くときに混同されがちな部分です。

報じられている機能は、Instagram内で元の投稿を自分のプロフィールにも表示させるものです。元の投稿が削除されたり非公開になったりすれば、当然そのグリッド上の表示にも影響します。これに対して「転載」は、画像や動画のデータを取得して自社の投稿として作り直したり、自社ECサイトや広告に使ったりする行為で、投稿者が持つ著作権に対する利用許諾が必要になります。

実務上は、UGCの許諾を取る際に「Instagramのプロフィールへの掲載」「自社ECサイトでの掲載」「広告クリエイティブへの利用」「店頭・印刷物での利用」を選択式にした文面を用意しておくと、毎回やり取りをやり直さずに済みます。掲載期間と、取り下げの連絡先も明記してください。

写り込みにも注意が必要です。投稿者本人が写っている分には本人の許諾で足りますが、友人や第三者、店舗のスタッフが写っている場合は、その方々の肖像の扱いを投稿者が判断できるとは限りません。人物が複数写っている投稿は、掲載基準の「載せない条件」に入れておくのが無難です。

Instagramのタグ付け投稿とUGC運用に関するよくある質問

この機能は日本の企業アカウントでも使えますか?

2026年9月14日時点で、対象地域や日本での提供状況、ビジネス/プロアカウントでの利用可否について、Instagram公式の記載も報道での明記も確認できていません。自社アカウントで使えるかどうかは、アプリを最新版に更新したうえで、タグ付けされた投稿のメニューに該当の選択肢が表示されるかを実際に確認するのが確実です。

グリッドに追加すると、元の投稿者に通知は届きますか?

通知の有無について、公式・報道のいずれにも記載を確認できていません。投稿者が気づかない可能性がある前提で、掲載前にDMで一言確認を入れる運用を推奨します。プラットフォームの仕様に依存せず、自社側の手続きとして許諾を取っておくほうが安全です。

対価を渡していないユーザーの投稿なら、PR表記は不要ですか?

対価や依頼関係がまったくない自発的な投稿は、一般に「事業者の表示」には当たらないと整理されます。ただし運用基準では、明示的な依頼がなくても事業者と第三者の間に表示内容を決定できる程度の関係性がある場合は該当し得るとされており、継続的なやり取りや商品提供の履歴がある相手の投稿は慎重な確認が必要です。個別の判断は原文を確認のうえ、専門家にご相談ください。

グリッドに載せたUGCは、広告クリエイティブにも使えますか?

グリッドへの追加と、広告への利用はまったく別の話です。広告に使う場合は投稿者から用途を明示した利用許諾を取る必要があり、写り込んでいる第三者や、使用している他社製品の扱いも別途確認が必要になります。Instagram広告の運用についてはInstagram広告の効果的な運用方法で解説しています。

グリッドの世界観が崩れるのが心配です。どう運用すればよいですか?

掲載する枠を決めてしまうのがひとつの方法です。たとえば「常時3枠まで」「新商品の発売から1か月間だけ」のように上限と期間を設けると、グリッド全体のトーンを保ちながらUGCを見せられます。リールを含めた表示バランスの考え方はインスタリールとは?作り方と再生数を伸ばすコツもあわせてご確認ください。

まとめ:機能より先に、載せる基準と許諾の手順を決める

Instagramでタグ付けされた投稿をプロフィールのグリッドに追加できる機能は、2026年9月10日にTechCrunchとSocial Media Todayが報じたもので、操作するのはタグ付けされた側、追加された投稿はメイングリッドに並び、あとから外すこともできるとされています。一方で、Meta公式の発表は確認できておらず、日本での提供状況、ビジネスアカウントでの可否、投稿者への通知や拒否の可否は、いずれも現時点では未確認です。

企業アカウントにとっては、UGCをプロフィールの一等地に置けるようになる一方で、他人の投稿を自社の顔として並べる判断が日常業務に入ってくることを意味します。載せる基準と載せない条件、判断者と操作者の分離、掲載前の許諾、対価がある投稿の扱い、そして外すときのルール。この5つを文章にしておけば、機能が使えるようになった日から迷わず運用できます。

UGCを商品の販売につなげる導線という意味では、コマース側の動きも参考になります。ユーザーやクリエイターの投稿が売上をどう動かしているかはTikTok Shop日本の市場規模を週次データで読むで公表データをもとに整理しています。

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この記事はAIを活用して書いています。

この記事を書いた人

TORIHADA POSTは、TikTok・YouTube・LINE VOOM・InstagramなどのSNSやインフルエンサーマーケティングに関する情報を発信していくサイトです。
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若井 映亮
株式会社TORIHADA CEO
【執筆実績】
・『事業者の販路を拡大し、クリエイターの収益を最大化する TikTok Shop大全』出版社:KADOKAWA (2025/12/17)
・『ショートムービー・マーケティングTikTok が変えた打ち手の新常識』出版社:KADOKAWA (2021/12/22)
【メディア出演実績】
・TikTok にハマる理由 優秀なAI がユーザーを魅了する: 日経Biz Gate(2022/2/17)
・今さら聞けない バズる動画完全攻略セミナー:テレビ朝日 NEW ニューヨーク(2021/11/19放送)
・TikTokビジネス活用大全:新R25プレミアム講座

1989年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェントに入社してアドテク事業の責任者を経験。2017年10月にTORIHADAを取締役として共同創業。2020年4月には、TikTok MCN PPP STUDIOを設立。2026年時点では、総勢2,000組を超えるショートムービークリエイターを抱える日本最大規模のクリエイター事務所としてクリエイターサポートを行う。自身もフォロワー5万人を超えるクリエイターの1人として、ショートムービー・プラットフォームを活用し、クリエイター目線を持って活動のサポートを行う。2022年12月からTORIHADA POSTの運営を開始。
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