TikTok Shopとは?4つの主要機能や最新情報と共に始め方も徹底解説

TikTok Shopは、世界的に人気の動画共有プラットフォームTikTok内に実装されたEC(eコマース)機能で、日本でも2025年に正式導入が予定されています。この記事では、日本におけるTikTok Shopの最新動向、特徴、導入後について解説していきます。

TikTok Shopでプロモーションを検討している方へ

TORIHADAでは、TikTok Shopにおけるプロモーション設計からクリエイターアサインまで全てサポート可能です。

・TikTok Shopでプロモーションを検討している
・TikTok Shopを用いた公式アカウントを運用したい
・TikTok ShopでEC運用をしたい

上記のようなお悩みを抱えている方は下記のボタンにてぜひお問い合わせください。

目次

TikTok Shopとは

TikTok Shopとは、TikTokアプリ内で直接商品を販売・購入できるEC機能です。短い動画やライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者はその場で簡単に購入できます。

これまでは動画を視聴するだけのプラットフォームだったTikTokが、アプリ内で商品を見つけて購入までスムーズな購買体験を実現させるシステムを提供することで、新たなECチャネルとして注目を集めています。

日本国内でTikTokはMAU(月間アクティブユーザー)数3300万人以上に達しております。またユーザーの1日の平均使用時間は56分(2025年5月時点)にも及んでおり、他のSNSよりも使用時間が長いのが特徴です。

使用時間が長い分、必然的にTikTokから情報を仕入れている時間も膨らみます。そのため、TikTok Shopという商品訴求力の高い機能はかなりビジネスチャンネルだと言えるでしょう。

TikTok Shop中国や東南アジア、アメリカなどで急速に普及しており、日本でもかなり注目されています。

参考:TikTokで費やされる平均時間統計(2025年)

日本におけるTikTok Shopの導入状況

2025年6月に日本において、中国発のSNS型EコマースのTikTok Shop(ショッピング機能付き)がサービスを開始する見通しであることが報じられています。また、2025年内にはイタリア、ドイツ、フランス、ブラジルでも同様にサービスが開始される予定です。

日本でのTikTokショッピング機能実装に関する噂は2024年末頃から出ており、ライブコマース業界に新たな期待が寄せられています。中国で爆発的な人気を誇るTikTok Shop(小黄車)が日本に導入されることで、ライブコマース市場の活性化に大きく寄与すると期待されています。

【クリエイター向け】TikTok Shopの始め方

TikTok Shopを始める前のステップとして下記の項目があります。

  • 申請資格の確認
  • 必要な情報と本人書類の提出
  • アフィリエイトクリエイターになるための申請

それぞれ下記が解説します。

申請資格の確認

クリエイターとしてTikTok Shopを活用するためには、まず下記の基準にクリアしている必要があります。

上記をクリアできているかしっかり確認しておきましょう。

必要な情報と本人書類の提出

TikTok Shopを活用するためには、下記の情報が必要になります。

  • 本名(姓・名)
  • 生年月日、国籍、出生国
  • ID番号と有効期限
  • 居住地住所

上記の情報は事前に用意しておきましょう。

また、本人確認書類としては、下記の項目のいずれか1つが必要になります。

  • パスポート
  • 運転免許証
  • 在留カード
  • マイナンバーカード

さらに、住所が証明できる書類も必要になりため、下記書類のいずれかもご用意しておきましょう。

  • 公共料金の請求書(ガス、水道、電気)
  • 銀行またはクレジットカードの明細書
  • 住民記録(住民票)

下記が例になります。

アフィリエイトクリエイターになるための申請

TikTok Shopの商品紹介でコミッション(成果報酬額)を獲得するためには、上の画像のようなステップでアフィリエイトクリエイターとして申請を出す必要があります。

さらに、上記の申請にプラスして本人確認も必須です。

本人確認には、マイナンバーカード、免許証、パスポート、日本の在留カードのいずれかが必要です。

参照:TikTok Shop Academy

【セラー向け】TikTok Shopの登録方法

セラーとしてTikTok Shopに登録する方法として下記の流れがあります。

  1. 出店申請とアカウント開設
  2. 商品登録とショップ運用

それぞれ下記で解説します。

出店申請とアカウント開設

TikTok Shopに商品を出店するためには、まずは出店申請とアカウント開設が必要になります。

出店申請とアカウント登録はセラーセンターから可能です。

法人・個人授業主、どちらでも登録は可能です。店舗名、住所、連絡先、本人確認書類、銀行口座情報などを準備しておきましょう。

必要書類をアップロードすると、数日で審査結果がわかり審査が通過すると販売が可能になります。

商品登録とショップ運用

TikTok Shopの審査が通過したら、商品情報や価格、在庫、商品概要などを管理画面上で設定します。

特に大事なのは商品概要です。ユーザーに買いたいを思ってもらえるような訴求を踏まえて商品概要を記入しましょう。

TikTok Shopの4つの主要機能

日本で導入予定のTikTokShopには、以下のような機能が含まれると予想されています。

  • LIVE Shopping(ライブショッピング)
  • Shoppable Videos(買い物カート付き動画)
  • Product Showcase(ショーケース)
  • Shop Tab(ショップタブ)

上記それぞれ、購入までの導線がスムーズに用意されており、視聴者は気になる商品をすぐ購入できるようになります。

LIVE Shopping(ライブショッピング)

LIVE Shoppingとは、ライブ配信動画を活用して視聴者に商品購買を促せる機能です。

TikTok Shopでは、視聴者にライブ配信のスケジュールを共有する「LIVEイベント」という機能があったり、商品の重要なセールスポイントを配信中に表示する「LIVE広告板」という機能があります。

その他にも複数商品のピン留め機能やコメントのピン留め機能があり、より効率的かつ効果的に商品訴求ができるようになります。

TikTok Shopのライブに関しては下記記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

Shoppable Videos(買い物カート付き動画)

Shoppable Videosとは、動画内に商品リンクを設置でき、商品やサービスの紹介動画を投稿して商品購買を促せる機能です。

従来であればTikTokで商品を認知した後に、楽天やAmazonなどのECプラットフォームで商品を探すという流れが一般的でした。一方で、TikTok Shopが導入されることにより、動画からそのまま商品購入ができるため、視聴者は商品を探す手間を省くことが可能です。

Product Showcase(ショーケース)

Product Showcase(ショーケース)とは、アカウント画面にショッピングタブを設け、ECサイトのように商品を販売できる機能です。

Product Showcaseの機能を使うことことで、ブランドやクリエイターは商品を陳列でき、視聴者はそこから商品を購入することが可能になります。

動画やライブだけではなく、アカウントページ全体で商品をアピールできるため購入までの流れがよりスムーズになるでしょう。

Shop Tab(ショップタブ)

Shop Tab(ショップタブ)とは、TikTok内専用のマーケットプレイスです。Shop Tabでは、商品を検索したり購入したりすることができます。

Shop Tabの大きな特徴は、TikTokのおすすめフィード同様にユーザーごとに適切な商品がおすすめとして表示されるアルゴリズムがあることです。

それぞれのユーザーの興味関心に応じて商品を表示させるため、より効果的に購買に繋げることが可能になります。

TikTok Shopが注目される8つの特徴

TikTok Shopにはビジネスにおけるさまざまな特徴を取り揃えています。今回、そんなTikTok Shopの特徴を厳選して8つご紹介します。

  • TikTokアプリ内で完結する購買システム
  • アフィリエイトプログラム
  • ユーザーの興味関心に合わせたおすすめフィードアルゴリズム
  • ライブコマースによるリアルタイムでの購入体験
  • 多様なツールやアプリとの連携
  • 販売後のCS対応自動化
  • 認証バッチの導入
  • 詳細なデータ分析

上記について、それぞれ解説していきます。

TikTokアプリ内で完結する購買システム

TikTok Shopが導入されると、TikTokアプリ内で商品を購入することが可能になります。

従来では、TikTokで商品を知って楽天やAmazonなどのECプラットフォームで商品購入する方が多かったでしょう。しかし、TikTok Shopの導入によりプラットフォーム移動が不要になるため、購入までの離脱率を大幅に軽減することが期待できます。

アフィリエイトプログラム

TikTok Shopでは、専用の商品リンクを動画やライブ配信、ショーケースに紐づけてアフィリエイトをすることが可能です。

また、アフィリエイトプログラムを活用することで企業は数千人規模のクリエイターと繋がり、PRを依頼できます。

クリエイターはアフィリエイトによりコミッション(成果報酬手数料)を獲得できるため、新たな収入源を得られます。

TikTokアフィリエイトについては下記の記事でも解説しています。ぜひご覧ください。

ユーザーの興味関心に合わせたおすすめフィードアルゴリズム

TikTokはユーザーの興味関心に合わせた動画をおすすめフィードで届けることができます。

これはTikTok Shopでも適用され、ユーザーの興味関心に合わせて商品動画がおすすめフィードに流れてくるようになります。

そのため、ユーザーは受動的に商品を閲覧し、購買意欲が掻き立てたれることでしょう。

また、興味関心に合わせた商品を表示するアルゴリズムはTikTok Shopタブでも有効です。TikTok Shopタブはユーザーによっておすすめ表示されている商品が異なるのです。

ライブコマースによるリアルタイムでの購入体験

TikTok Shopでいま注目とされているのがライブコマースです。TikTok Shopではライブ配信を通じてリアルタイムで商品訴求が可能です。

ライブ配信ではその場で商品の良さを理解できたり、疑問点があればコメントで質問ができるため、視聴者は納得して商品購入できます。

TikTok Shopのライブ配信では、商品リストをピン留めできたり、LIVE配信広告板で商品のセールスポイントを表示することもできるため、より効果的な訴求につながります。

また、配信中は視聴者数の推移も閲覧でき、視聴推移に合わせて広告配信をかけることも効果的です。

一方で、ライブ配信の勢いで衝動買いをしてしまうケースがあるのも事実です。

多様なツールやアプリとの連携

TikTok Shopはさまざまなeコマースプラットフォームと連携できます。連携可能なプラットフォームとしては下記があります。

  • Shopify
  • Amazon
  • BASE
  • WooCommerce
  • Print-on-Demand Platform
  • Catalog Migration
  • ERP System

eコマースプラットフォーム以外にも、コネクタアプリとしてさまざま機能と連携できます。

詳しくは下記のTikTok Shopセラーページからご覧ください。

販売後のCS対応自動化

TikTok Shopでは、商品販売後のCS対応を自動化できます。自動化できるCS対応としては下記があります。

  • キャンセル受付期間の設定
  • 返品受付期間の設定

キャンセル受付を自動化すると、ユーザーが注文完了した後にキャンセルした際の自動承認を自動化できます。自動承認適用の期間はセラー側で調整可能です。

返品受付は、最大30日間で設定できます。

認証バッチの導入

TikTok Shopには「Most Loved」という認証バッチが存在します。このバッチは、ユーザーから信頼され満足度の高い商品に与えられます。

下記の基準を満たした商品がMost Lovedに該当します。

  • 高評価レビュー
  • 発送遅延が少ない
  • カスタマー対応に優れている
  • 返品率が低い

ユーザーが商品を選ぶ際に、Most Lovedは重要な要素になります。

詳細なデータ分析

TikTok Shopでは、商品の販売数やGMVだけではなく、LIVE配信・動画・商品カートの流入数などさまざななデータを収集できます。

そのため、データを見ながら最適な施策を打つことが可能になります。

日本におけるTikTok Shop API最新情報

TikTok ShopのAPIが2025年4月に日本市場向けに公開されたので、本記事ではどのような機能が変更になったのかを解説していきます。

製品について

以下の6点が変更点として追加されました。

・各商品には最大300個のSKUを含めることができる。

・商品の価格帯は[1,500,000]円以内でなければならない。

・商品名の文字数は[1,255]文字以内でなければならない。

・商品リストのパッケージ重量単位はグラム(g)を使用する。

・商品ページに表示されるSKUの現地販売価格(割引前、税込)を示す必須パラメータが追加された。

・ja-JPロケール、通貨JPY、地域に関連するパラメータ値が追加された。

注文について

以下の2つの応答パラメータが追加されました。

・first_name_local_script:カタカナの名

・last_name_local_script:カタカナの姓

出荷について

以下の4つの応答パロメータが追加されました。

・first_name:漢字の名

・last_name:漢字の姓

・first_name_local_script:カタカナの名 ・last_name_local_script:カタカナの姓

カスタマーサービスについて

以下の内容が変更点として追加されました。

・すべてのカスタマーサービスAPIエンドポイントが更新され、日本語メッセージの送受信のサポートが可能になった。

配送について

以下の2点が変更点として追加されました。

・日本市場のセラーは、デフォルトでセラー配送ワークフローに従う必要があり、セラーは配送に下記の連携された配送業者を使用しなければなりません。

  • ヤマト
  • 佐川急便
  • 日本郵便
  • 西濃運輸
  • セイノースーパーエクスプレス

・国内/海外問わず、販売者は配送において通常次の手順に従う。

  1. 販売者は荷物を発送後、配送業者から発送追跡番号を取得する。
  2. Get Shipping Providersエンドポイントを使用して、TikTok Shopでサポートされている配送サービスプロバイダーIDを取得する。
  3. パッケージを発送済みとしてマークするエンドポイントを使用して、追跡番号と配送ロバイダーIDをアップロードする。

 参考記事:TikTokShop Partner Center

現在の日本の特徴から予測されるTikTok Shopについて

日本のEC市場の成熟度

日本はEC市場が成熟しており、消費者の品質や安全性に対する要求が高い傾向があります。そのため、TikTok Shopも信頼性の高い商品や販売者を中心に展開されると予想されます。

日本の消費者特性

日本の消費者は、情報収集に時間をかけ商品の情報を求める傾向があります。TikTok Shopでは、商品の細かい情報やレビューを充実させることで消費者の信頼を獲得することが重要になります。

日本の文化とトレンド

日本の流行や文化に合わせた商品やコンテンツが重要になります。日本独自の文化や流行を考慮した、きめ細やかなマーケティング戦略が求められます。

ライブコマースの受け入れ度合い

海外に比べると、日本国内でのライブコマースの普及はまだ途上です。しかし、TikTokの高い拡散力と若年層を中心とした購買意欲の高さから、日本でもライブコマースが急速に普及する可能性があります。

まとめ

2025年に日本での導入が予定されているTikTok Shopは、動画とECを融合させた新たなショッピング体験を提供します。若年層を中心に高い人気を誇るTikTokの特性を活かしたこのサービスは、日本のEC市場に新たな風を吹き込むことが期待されています。

APIの最新情報日も公開されたため、本企業は今から準備を進め、TikTokShopが導入された際には先行者利益を得るための戦略を練っておくことが重要です。

動画コンテンツの魅力を最大限に活かし、広告感を薄めた自然な販売促進や、インフルエンサーとの協力、ライブ配信の工夫など、TikTokならではの特性を理解した運用が、TikTokShopでの成功の鍵を握っていると言えるでしょう。

この記事を書いた人

TORIHADA POSTは、TikTok・YouTube・LINE VOOM・InstagramなどのSNSやインフルエンサーマーケティングに関する情報を発信していくサイトです。
SNSの最新情報やインフルエンサーのビジネス活用方法を多様な視点で提供していきます。

若井 映亮
株式会社TORIHADA CEO
【執筆実績】
・『ショートムービー・マーケティングTikTok が変えた打ち手の新常識』出版社:KADOKAWA (2021/12/22)
【メディア出演実績】
・TikTok にハマる理由 優秀なAI がユーザーを魅了する: 日経Biz Gate(2022/2/17)
・今さら聞けない バズる動画完全攻略セミナー:テレビ朝日 NEW ニューヨーク(2021/11/19放送)
・TikTokビジネス活用大全:新R25プレミアム講座

1989年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェントに入社してアドテク事業の責任者を経験。2017年10月にTORIHADAを取締役として共同創業。2020年4月には、TikTok MCN PPP STUDIOを設立。2023年時点では、総勢700組のショートムービークリエイターを抱える日本最大規模のクリエイター事務所としてクリエイターサポートを行う。自身もフォロワー5万人を超えるクリエイターの1人として、ショートムービー・プラットフォームを活用し、クリエイター目線を持って活動のサポートを行う。2022年12月からTORIHADA POSTの運営を開始。
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